五月はこの地方では一番良い季節。天気も大きく崩れる事が無い。
ただ、食べ物は端境期と言うか魚が少ない。
名物のブリ、カワハギ、紅ズワイカニは冬、ホタルイカももうボツボツ旬が終わる。
こうなるとスーパーの鮮魚店では県外物の刺身が並ぶ事になる。
何しろ毎日『刺身』を食べないと駄目なお父さん(お爺さん)達が多い土地柄。
どうしても食べたい!らしい😊
朝和定食
ヒジキが美味しいと言っていた。「腕がいいから」と言ったら、「イヤ、これは元々のヒジキが美味しいから」だって。確かに😓天然ヒジキ。
うちの父も毎晩『刺身』だった。(お酒は飲めない人だったんだよね。私の親なのに😱)
あの頃は3日に1回くらいのペースで『新湊』から行商のおじさんが来ていて、最後にうちに来て、台所で魚を下ろしたり、刺身を作ったりしていた。(残りを全部安値で置いてく)
終わったらコップでお酒(立山の二級酒)を一杯飲んで帰っていた。
もちろんお酒の代金はもらわない。
昔、料理屋をしていた時からの出入りの魚屋さんで、「うちで最後に一杯飲むのが楽しみで来ているのだから」と祖母が言っていた。
遅めのお弁当を食べ、その後中庭の縁側で一時間ほど昼寝。
そういえば、駅の外の軒下におじさんのリアカーが立てて置いてあったっけ。
立山の二級酒は毎日晩酌をする人のお決まりの酒。
透明の一升瓶は青く見える事から『青大将』と言われていた。懐かしいね。今はパックだもの。
売れ残った魚を開いて、干物にして置いて行ってくれたり、足が取れた蟹をオヤツに貰ったり。
『情けは人の為ならず』持ちつ持たれつ。いい時代だった。